-
ポーランドの主なソーセージすべて紹介!伝統名物カバノセは絶対食べよう
投稿日 2021年3月22日 06:00:45 (ポーランド)
この記事の内容
ソーセージといえば、お隣のドイツのほうが有名。しかしポーランドにも伝統的なソーセージ(カバノセ/単数形だとカバノス)があり、ほかにもポーランドでしか味わえない製法のものが多くあります。ホテルの朝食でも必ずソーセージは出てくるので、旅行者の方もぜひひと通りの種類を把握しましょう!
もしあなたがポーランドに住んでいるのであれば、美味しくて質のいいソーセージを食卓に加えてみてください。朝食でそのまま食べても◎、料理やスープの材料としてもピッタリ、お酒のおつまみとしても合うポーランドのソーセージを思う存分味わってみましょう
.
.
この記事の目次
❶ よく食べられているソーセージ
キェウバサ・クラコフスカ
ビャワ・キェウバサ
キェウバサ・スフォイスカ
カバノセ
パルフキ(ベルリンキ)
キェウバサ・サラミ
そのほかのソーセージ
❷ 品質のいい商品を選ぶコツ5つ
カロリーが高いものほど高品質
E番号が多いものは避ける
120%以上の肉が含まれている
100gあたりの値段が2zł以上か
パッケージにGTSのロゴがある
❸ 豚肉以外、フレーバー付きも◎
❹ 料理で使いやすいソーセージ
❺ 国内で人気のソーセージメーカー
❻ この記事のまとめ
鶏・豚・牛の部位、ポーランド語でなんて言う?各部位の特徴も知っておこう
【注意】特別に承認された商品を除き、ソーセージなど海外肉製品は日本に持ち込むことはできません(=お土産にはできない)。違法に持ち込まれた場合は法律により処罰されます。
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
.
よく食べられているソーセージ
ソーセージ はポーランド語で【キェウバサ(kiełbasa)】といい、スーパーに行くとあらゆる種類のものがズラリと並んでいます。
材料や風味のちがいはもちろんのこと、小指くらい細いものから手首よりも太いものまであり、初めて買う人は迷うはず…。
最初は精肉コーナーに並んでいるものより、パックに入ったものを選ぶといいでしょう。
下記に紹介する6つのソーセージは多くのスーパーで見られるものなので、迷ったらとりあえず、これらの商品を試せばOK!
どれも日本人の口に合うこと間違いなし
.
.
kiełbasa krakowskaキェウバサ・クラコフスカ
日本語だと「クラクフ風ソーセージ」で、主な材料は豚肉、塩、オールスパイスやコリアンダーなどの香辛料。その名の通り、古都クラクフ発祥の伝統的なソーセージで19世紀から食されている定番中の定番です。ソーセージとハムの中間くらいの太さで、スライスしたものをパンにのせて食べるのがふつう。19世紀のクラクフはオーストリア領(大多数の住民はポーランド人)だったため、オーストリアでも伝統食品として知られます。2018年には欧州委員会の伝統特産品保証に登録されました。
biała kiełbasaビャワ・キェウバサ
20世紀前半、ドイツ領だったヴィエルコポルスカから伝わったドイツの伝統食品です。ポーランドではイースターや聖体の祝日など春の宗教行事でよく食べられ、季節感のあるソーセージ。また、ポーランドの味噌汁とも言われるジュレックの材料としても使われます。見た目が白いのは、材料と脂肪による乳化現象であって着色されたものではありません。日本では子牛や子羊の肉を使ったものと認識している人も多いですが、ポーランドでは豚肉で作られたものが主流。あっさりしていて柔らかく、ハーブの香ばしさが食欲をそそります。
kiełbasa swojskaキェウバサ・スフォイスカ
日本語でいうと「自家製ソーセージ」。スーパーや精肉店でこの名前のソーセージを見つけたら、間違いなくお店のイチオシ品のひとつなのでぜひ試してみてください。発色を良くしたり、長持ちさせるための添加物は加えられておらず、ほかのソーセージよりも少し高いはずです。また、田舎のほうであればオリジナルの材料や製法で自家製ソーセージを作る家庭も珍しくありません。かたちが崩れやすいので料理の具材としては向いておらず、シンプルにパンといっしょに味わうのが一番。
kabanosyカバノセ
カバノセは細長く、まるでカルパスの長いバージョン。色は茶色〜または濃い赤で、切ってみるとサラミによく似ています。カバノセは19世紀のポーランド貴族によって広められた伝統的なソーセージ(欧州委員会の伝統特産品保証の登録品)であり、名前はトルコ語の「豚」に由来する「カバン(kaban)」が語源となっているのだとか。乾燥させたものでやや硬く、一般的なソーセージより濃縮された味わいが特徴です。朝食でよく食べられる一方、スナックやお酒のおつまみとしても◎。
parówkiパルフキ(berlinkiベルリンキ)
ホットドッグに入っていそうな、柔らかいソーセージ。原材料に小麦粉が含まれているため本格的なソーセージと比べれば味はマイルドで、子ども向けに買う人も多いです。ポーランドでは断トツでベルリンキという名前のパルフキが人気。ケチャップやマスタードによく合い、あっさりした味わいなので2〜3本と食べても胃はもたれません。茹でたり、レンジで温めて食べますが、個人的にはウィンナーのようにフライパンで焼くのがオススメ!
kiełbasa salamiキェウバサ・サラミ
サラミはイタリア発祥のドライソーセージ。サラミは日本でもお馴染みですが、こちらでもサラダやピザの具材、ワインのおつまみとして食べられることが多い高級ソーセージです。特に高価なものだとロバ肉で作られたサラミも…。カマンベールチーズのように白カビに覆われたサラミがポピュラーで、そのカビはしっかり熟成された証拠。非常に臭うので、カビ独特の臭みや同様のチーズに抵抗のある方は避けたほうがいいかもしれません。
そのほかのソーセージ
ほかにもフランクフテルキ(frankfuterki)というグリルにピッタリなフランクフルトソーセージ、キンジュク(kindziuk)というリトアニア発祥のしょっぱくて酸っぱい(梅干しみたいにクセになる!)サラミのようなソーセージも人気。ほか、クラクフ風ソーセージのように “〜skaスカ” と地名が入ったものが多く、kiełbasaキェウバサ głogowskaグウォゴフスカ/wiejskaヴィエイスカ/podwawelskaポドヴァヴェルスカ/toruńskaトゥルンスカ/śląskaシロンスカ/morlińskaモルリンスカ など何十種類もあります。
.
品質のいい商品を選ぶコツ5つ
個別包装されたソーセージには必ず成分表があり、日本と同じように配合量の多い順に材料が記載されています。通常のソーセージであれば、肉(mięso)、塩(sól)、スパイス(przyprawy)などの名がつづき、最後あたりにイソアスコルビン酸ナトリウム(Askorbinian sodu – E316)、亜硝酸ナトリウム(Azotan sodu – E250)といった保存料や発色剤が見られます。E+数字は通称E番号といって食品添加物を表し、100番〜1,600番まであります。
乾燥したソーセージで重要な指標になるのが肉の量。パックに入った商品であれば、目立つところに100g 〜 z(e)◯g mięsa/○% mięsa w mięsie という記載があり、「100g中◯gの肉が含まれている/◯%肉」という意味です。生ソーセージや小麦粉が含まれるパルフキなどを除き、最低でも100g中120g(120%)以上は欲しいところ。キェウバサ・クラコフスカやカバノセだと100g中170g〜185g含まれたものもありますが、150g前後あれば上等です。
ヨーロッパの肉加工食品の値段は日本と比べるとかなり安いです。ポーランドの場合、ソーセージだと100g あたり2zł(約60円)前後で売られているものも多いですが、大まかな相場は2.5〜8.5złでしょう。種類によって値段に大きな幅があり、セール価格で2złを切る場合もあります。また、パックに入っている商品や薫製ソーセージは100gあたりの値段が高くなる傾向にあります。値段は正直なので、添加剤が多いと思われる安い商品は避けたほうがいいかもしれません。
GTSとは “Gwarantowana Tradycyjna Specjalność” の頭文字を取ったもので、ポーランドの伝統的な農産物にはGTSのロゴ(黄色いギザギザ丸のマークで真ん中に12の星)があります。最低25年間流通している商品だけが登録できるため、市場で流通しているGTSロゴのあるソーセージはあまり多くありません。GTSロゴがなくても高品質な商品は山ほどありますが、もしロゴのあるものを見つけたらぜひ購入してください。
上記の「品質のいいソーセージを選ぶコツ」はソーセージの種類によって当てはまらない場合があります。これら5つに当てはまらないからといって絶対品質が悪いというわけではありません。こだわる場合は成分表を確かめましょう。
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
.
.
豚肉以外、フレーバー付きも◎
ポーランドでもソーセージはふつう豚肉から作られるものであり、特に表記がなければ豚肉から作ったものと思っていいでしょう。
それでも豚肉以外で作られたソーセージは多くあり、私は七面鳥がお気に入り。
またスナック感覚で食べることが多いカバノセだと、チーズやガーリック、ペッパーなどフレーバーが付いたものもあります。
塩分が高いので食べすぎにはご注意を
.
商品選びの幅が広がるワード
豚肉 wieprzowyヴィエプショヴェ
鶏肉 drobiowyドゥロビオヴェ
七面鳥 z indykiaズ・インデカ/z indykiemズ・インデキェム
牛肉 wołoweヴォウォヴェ/z wołowinyズ・ヴォウォヴィネ
ピリ辛 pikantnyピカントネ
チーズ入り z seremズ・セレム
ニンニク入り z czosnkiemズ・チョスンキェム
ハーブ入り z ziołamiズ・ジョワミ
ハーブミックス mieszanka ziółミェシャンカ・ジウウ
スパイス przeprawyプシェプラヴェ
.
料理で使いやすいソーセージ
ソーセージをスープや炒め物など料理の具材として使いたい場合、どのようなソーセージを買うべきか迷う人も多いでしょう。
個人的に最も使い勝手がいいと思うソーセージは、豚肉や七面鳥のカバノセ。
細長いカバノセは一見あまり料理に向かなさそうで、実際、ポーランド人がカバノセを料理したり調理することは滅多にありません。
そんなカバノセですが、薄く切ればチャーハンやケチャップライスにピッタリ!
数ミリ〜5ミリ間隔くらいで切ってミネストローネなどトマト系スープに入れるのも◎。
日本の洋風料理にはよくウィンナーやベーコンなどが材料にありますが、そちらにはキェウバサ・グウォゴフスカ/ヴィエイスカ/ポドヴァヴェルスカなどが合います。
どれもクラコフスカのように定番なので、中規模のスーパーであれば置いてあるでしょう。
そしてソーセージは基本的に塩分が高いため、塩加減には十分ご注意を!
また脂肪が多く含まれるものもあるので、様子を見ながら油の量を調整してみてください。
.
私が料理でよく使うソーセージ
kabanosカバノセy
kiełbasa głogowskaキェウバサ・グウォゴフスカ
kiełbasa wiejskaキェウバサ・ヴィエイスカ
kiełbasa podwawelskaキェウバサ・ポドヴァヴェルスカ
国内で人気のソーセージメーカー
ソーセージやハムなどの肉加工食品を製造するメーカーはたくさんありますが、その中でも有名どころを10ほど挙げておきます。
この中でも Krakusクラクス と Tarczyńskiタルチェンスキ は私も日常的によく買っていて、人気ランキングでも常に上位5位に入っているようす。
カバノセに関しては、カバノセ=タルチェンスキの図式が出来上がっている感じです。
一方で、各スーパーが展開するお買い得なプライベートブランドは注意が必要。
すべてがそうとは言いませんが、成分表の誤った記載や添加物で行政から指導が入る商品はたいていプライベートブランドなので…
.
私が料理でよく使うソーセージ
Henryk Kaniaヘンリク・カニャ
Indykpolインデクポル 七面鳥肉で有名
Konspolコンスポル
Kraina Wędlinクライナ・ヴェンドリン
Krakusクラクス
Madej Wróbelマデイ・ヴルベル
Morlinyモルリネ パルフキで有名
Pikokピコク
Sokołówソコウゥフ
Tarczyńskiタルチェンスキ カバノセで有名
欧米の食卓に欠かせないソーセージやハム。日本でもよく食べられますが、やはりヨーロッパのほうが圧倒的に種類は多く、値段も手頃です。それだけに色んなソーセージを試してみたくなるものの、種類がありすぎて逆にいつも同じものを買ってしまうという方もいるでしょう。私もそのタイプですが、夫がよく他のものを買ってくるのでキウバサ・◯◯◯スカという名前の定番ソーセージはほとんど食べました。その中には、「ハーブがききすぎて/脂肪が多すぎてリピートないな」というものもありましたが、結局は好みの問題なので、気になったら食べてみるべきです。
良質なソーセージの特徴としては、❶カロリーが高い、❷保存料や発色剤といった添加物が少ない、❸120%以上の肉が含まれている、❹伝統食品を表すGTSロゴがある、❺100gあたりの値段が2zł以上の5つを挙げました。❹はそもそも珍しいのでハードルが高いですが、それ以外の条件を満たしているソーセージは多く売られています。お気に入りが見つかれば、いちいち商品を見比べて考え込む必要はありません。せっかくソーセージ大国のヨーロッパに住んでいるのなら、美味しいソーセージをたくさん見つけてください!
The post ポーランドの主なソーセージすべて紹介!伝統名物カバノセは絶対食べよう first appeared on ポーランドなび -WITAM!-.
Source: ポーランドなび -WITAM!-
最新情報